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質問にお答えしますコーナーです
こちらのコーナーでは過去に開催したセミナーでいただいた質問への回答を公開しております。

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2021/9  8月7日開催「遺伝性乳癌卵巣癌診療ガイドライン解説セミナーの質問回答をアップしました
遺伝性乳癌卵巣癌診療(HBOC)診療ガイドライン解説セミナーでいただいたご質問への回答

Q1.

このガイドラインはHBOCというものの病態を把握し、現状わかっているエビデンスの再確認をもって、「こうありたい」という診療体制に向けてのガイドラインという立ち位置でよろしいでしょうか?日本での臨床診療に使っていい=保険診療下での診療のガイドラインとは違うと考えて良いでしょうか?​​

A:ご指摘のとおり、このガイドラインはHBOCというものの病態を把握し、現状わかっているエビデンスの再確認をもって、「こうありたい」という診療体制に向けてのガイドラインというお考えでいいと思います。日本での臨床診療に使っていい=保険診療下での診療に関しては、「実行可能性」「容認性」という項目をあげて検討し、解説をするようにしております。

Q2.

HBOCの名称は定着してしまいましたが、前立腺癌と膵癌が置き去りです。リンチ症候群のような呼称がよいと考えますがいかがでしょうか?

A:病名については海外でも同様の意見があります。BRCA1同定の過程で貢献した遺伝学者のメアリー・クレアキング博士の名前を冠した「King Syndrome」に名称変更しようという意見もでたことがありましたが、十分に普及はしていないようです。

Q3.

HBOCだが未発症という状態は、疾患ありと考えられるのでしょうか?それとも癌を発症していないから、健常者と分類されるのでしょうか?

A:令和2年度診療報酬改定では遺伝性乳癌卵巣癌症候群(Hereditary breast and ovarian cancer syndrome: HBOC)という疾病名が傷病名として収載されました。これはHBOC診療に携わってきた医療者、当事者にとっては悲願であり、これまでのご努力に心より敬意を表すると共に、決断を頂いた規制当局の皆様にも心より感謝を申しあげる次第です。本ガイドラインではHBOCの定義を「BRCA1/2の生殖細胞系列病的バリアントに起因するがんの易罹患性症候群」としており、がん未発症者とがん既発症者を区別しない、区別する理由がない、区別してはいけないという考え方です。

Q4.

未発症者変異保持者に対する自費診療でのサーベイランスが負担と感じています。保険適用が拡大される見込みはいかがでしょうか。

A:本件につきましては令和4年度診療報酬改訂に向けて日本人類遺伝学会をはじめとした複数の学会から厚生労働省に要望を提出していますが、皆様のお力添えをお願いいたします。

Q5.

BRCA2陽性で、RRSOを受けました40歳です。病理結果から癌が見つかっています。家族の検査はまだです。自分と家族は、膵癌含めて今後はどのようなタイミングで、どの程度の検査をしていけばよろしいでしょうか?

A:ご自身がリスク低減手術を受けられたという事、まずはお疲れ様でした。今後のご本人のサーベイランスについては担当医に相談して下さい。血縁者についてはシングルサイト検査を行う事で、陽性であったとしても陰性であったとしても今後のご自身の健康管理の指標になる可能性があります。血縁者の方も遺伝カウンセリングを受診されると良いと思いますので担当医にご相談下さい。

Q6.

シングル検査(自費)で変異が同定された血縁者が、後に乳癌などを発症した場合、各医療を受けるにあたりBRACAnalysisを受けなおさなければいけないのでしょうか?

A:遺伝医学および検査医学の観点からはいわゆる「シングルサイト検査」を行い、家系診断を行う事が奨められます。その上でHBOC関連がん発症例でBRCA遺伝学的検査をCDxとして行う必要がある場合などにはBRCA1/2遺伝子検査(SRL社)を行うことが適切な例もあると考えます。

Q7.

遺伝BQ2で検査推奨の対象に、表1としてNCCNガイドラインの引用がありますが、この表が保険適応というわけではないと認識してよいですか?

A:BQ2は医学的にBRCA遺伝学的検査を検討すべき基準について示したものであり、御指摘の通り現行の保険適応とは一致しておりません。

Q8.

遺伝BQ2記載されている「乳癌・卵巣癌・前立腺癌・膵癌を発症しており、BRCA1/2に一定以上の割合で病的バリアントを保持すると推定される」の要件ですが、“一定以上の割合”というのは具体的に何を指しており、どういう患者さんが対象となりますでしょうか。で検査推奨の対象に、表1としてNCCNガイドラインの引用がありますが、この表が保険適応というわけではないと認識してよいですか?

A:検査前予測確率については様々な考え方がありますが、例えば英国NICE(natnional cancer comprehensive network)では検査前予測確率が10%以上と算出される場合を対象としております。なお表現型からリスク評価を行うためには各種予測ツールがありますのでP273をご覧下さい。

Q9.

本ガイドラインではリスク低減卵管卵巣摘出術(RRSO)を希望しない場合は低用量ピル(OC/LEP)による化学予防を条件付きで推奨していますが、OC/LEPガイドライン2020年版では、現在の乳癌には禁忌である(推奨グレードA)、乳癌発症後5年以上の再発がない場合の投与は慎重に判断する(C)、乳癌の家族歴を有する女性には慎重投与である(B)としています。既に乳癌を発症しているHBOC患者がRRSOの保険適応である点から、乳癌治療後のOC/LEPは使用についてはどのような位置づけとなりますでしょうか。

A:現在、乳癌診療ガイドラインが改定中であり、それを待つことになりますが、RRSOが保険適用となったことから、まずRRSOということになると思われます。ご質問のようにRRSOを希望しない場合には卵巣癌予防へのOC・LEPはHBCO女性でもリスク低下が認められたという報告があるので、OC・LEPは卵巣癌予防には有効ですが、乳癌を既に発症している場合にはOC・LEPガイドラインに従い、現在の乳癌には禁忌、治療後であれば乳癌発症後5年以上の再発がない場合の投与は慎重に判断するということになります。

Q10.

RRSO後のホルモン補充療法(HRT)は現在乳癌に罹患している、または乳癌既往歴がある患者のいずれに対しても禁忌となりますが、エストロゲンレセプターの有無により対応は変わらないのでしょうか。

A:確かに乳癌治療後のHRTを検討したHABITS studyではホルモン受容体陽性ではHRTによる再発率が有意に高く、陰性では有意差なしという結果でした。一方、Stockholm studyではホルモン受容体のstatusには差異がありませんでした。ただ、ER、PR statusについては変化することが知られており、原発巣がER(-)であっても、再発はER(+)であることもあります。これらのことから、RRSO後に限らず、現状では、現在の乳癌、既往乳癌ではER statusにかかわらずHRTは禁忌とされています。

Q11.

タモキシフェン内服中にRRSOを実施した場合、タモキシフェンを内服していい癌治療に伴う外科的閉経(卵巣癌や子宮体癌手術後など)の患者と比較して、卵巣欠落症状の程度は異なるか?

 

A:タモキシフェン内服中のRRSO後のホットフラッシュなどについてはデータがないと思います。

ただ、タモキシフェン投与時には78%がホットフラッシュを訴えたという報告があり、この頻度は通常の自然閉経あるいは外科的閉経とほぼ同様と考えられます。したがって、RRSOを施行しても大きな変化はないとも考えられます。しかし、卵巣欠落症状にはメンタル因子など他の要因もかかわってくるので、実臨床上は個別対応になりますし、一定の傾向はないのではないかと考えます。

Q12.

リスク低減乳房切除術(RRM)で乳頭乳輪温存乳房全切除術(NSM)を行う場合の費用は悪性腫瘍の算定でしょうか?乳房単純切除の算定でしょうか?

 

A:RRMに関してはご質問の内容通り乳腺悪性腫瘍手術には含まれないと思いますので、NSMであってもK475の乳房切除 6,040点しか取れないと思います。

Q13.

RRM後の乳房再建については、保険収載上人工物についてしか明記されていませんが、自家組織の再建術を行ってはいけないのでしょうか?

A:現状の乳腺診療の中において「乳房切除後」に対する人工物・自家組織の乳房再建が広く行われている現状からは、RRMにおきまして「K475:乳房切除」が適用になったことから、これに関しても乳房切除後の人工物・自家組織の再建術を行うことは可能と考えています。

Q14.

乳癌BQ1の検査推奨対象に、近親者の家族歴で前立腺癌が含まれていないのはなぜでしょうか?​​

A:前立腺がんの罹患率や前立腺癌におけるBRCA1/2キャリアーの頻度を考慮しますと、乳癌発症者の第三度近親者までにおける前立腺癌患者の罹患歴を遺伝学的検査の推奨に入れた場合に相当数の変異保持確率の低い乳癌患者が含まれることとなるため今回は見合わせました。しかし、ご指摘のように悪性度の高い前立腺癌あるいは若年発症の前立腺癌とBRCA1/2 PGVの関連はよく知られた事実であり、今後どのような形で取り入れたらよいか模索していきたいと思います。

Q15.

F1CDxで前立腺組織のBRCA病的バリアントが見つかっても生殖細胞系のバリアントはその50%です。その確認のために検査を行う場合、BRACAnalysisで行うという意見を聞きますが、そもそも、前立腺癌におけるBRACAnalysisはオラパリブのコンパニオン診断目的であって、HBOCの診断目的ではありません。コンパニオン診断がすでについているものに対して、再度行うことは保険上問題ありと考えます。現状の制度の下では、自由診療でシングルサイトで検討がよいと思いますが、いかがでしょうか?

A:ご指摘の通りでコンパニオン診断を重複して実施するのは問題があると考えます。一方でシングルサイト検査を行うこと自体が混合診療と判断される可能性もあり、現行の保険適用における大きな問題点です。この問題の解消のため、令和4年度診療報酬改訂に向けて日本人類遺伝学会をはじめとした複数の学会から厚生労働省に要望を提出していますが、皆様のお力添えをお願いいたします。

Q16.

保険適用の遺伝性腫瘍としてのBRCA検査基準は、”遺伝性乳癌卵巣癌診療の手引き”の検査基準であり、今回のガイドラインで対象となっている膵癌と前立腺癌罹患者は保険適用になっていません。これはどうしてでしょうか?

A:今回、検査基準として遺伝子診断・遺伝カウンセリング領域 BQ2.「BRCA検査推奨の対象」が相当します。これは保険適応とは別に遺伝医学的、検査医学的に必要と考える基準です。御指摘の通り、現行の保険適用の検査基準は、膵癌・前立腺癌のみならず一部しかカバーしていません。今後はBQ2.「BRCA検査推奨の対象」に準じた保険適用の基準が拡大することが求められます。本件につきましては令和4年度診療報酬改訂に向けて日本人類遺伝学会をはじめとした複数の学会から厚生労働省に要望を提出していますが、皆様のお力添えをお願いいたします。

Q17.

膵癌家族歴のある乳癌患者に対するBRCA1/2遺伝学的検査の保険適応拡大はいつから可能になりますか?

A:NCCNガイドラインにおいても乳癌患者における膵癌の家族歴は遺伝学的検査の推奨基準に含まれており、早急な適用拡大が俟たれますが、現在のところ時期のめどはついていない状況です。

JOHBOCと関連学会との連携が始まり保険適用の拡大への端緒についたところであり今後の進捗に期待しています。

Q18.

HBOCにおける膵臓癌のスクリーニングについて、膵臓の家族歴のあるBRCA1変異保持者では、定期的な検診時期、および検査方法として推奨されるものはあるでしょうか?

A:BRCA1については、BRCA2に比べて膵癌発癌リスクは高くないとする報告が多いですが、一方、膵癌の発癌リスクの一つであるIPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)については、BRCA2と同様の高頻度で認められるとする報告があります。そのため、家族歴を有するBRCA1についても、BRCA2と同様に膵癌スクリーニングは必要と考えられます。

微小膵癌検出能の高い超音波内視鏡と被曝の少ないMRCPの組み合わせが現在、提案されていますが、予後延長効果のある膵癌のスクリーニング方法は確立していませんので、検査時期・方法は今後の課題となります。

Q19.

F1CDxなどでの生殖細胞変異が疑われる場合の生殖細胞バリアントの確認としては、どのように行うのが良いのでしょうか?BRACAnalysisで再提出した方が良いのでしょうか?

A:遺伝医学および検査医学の観点からはいわゆる「シングルサイト検査」を行い、家系診断を行う事が奨められます。その上で個別の症例でBRCA遺伝学的検査をCDxとして行う必要があるときにはBRCA1/2遺伝子検査(SRL社)を行うことが適切な例もあると考えます。

Q20.

類似の同種・同効薬であるオラパリブ(リムパーザ)とニラパリブ(ゼジューラ)とで卵巣癌の適応が微妙に異なるのはなぜですか?

A:オラパリブおよびニラパリブが保険収載されるに至った根拠となる臨床試験の対象が異なったのが原因です。オラパリブが初回治療維持療法として保険収載された根拠となった臨床試験はSOLO-1試験で対象はBRCA病的バリアントを有する臨床進行期III/IV高異型 度漿液性癌・類内膜癌で初回化学療法でCRまたはPR症例です。ニラパリブはPRIMA試験を根拠に保険収載されたのですが、この試験の対象は初回化学療法でCRまたはPRを示した卵巣癌症例で、BRCAなどの遺伝子病的バリアントの有無は問いません。以上より適応が微妙に異なっております。うことが適切な例もあると考えます。

Q21.

オラパリブは、「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術 不能又は再発乳癌」となっていますが、HER2陽性はなぜ、適応にならないのでしょうか? HER2陽性乳癌ではオラパリブは効かないのでしょうか?​​

A:各薬剤の保険適用に関しては承認に至る際に参考となった臨床試験の適格基準が採用されることが多々ございます。それゆえ科学的に奏効が期待されそうな群が含まれないというご指摘のような問題が生じることとなってしまいます。現在の保険適用基準に合わないながらもオラパリブの奏効が望める集団が存在することは明らかでありますゆえ、このような集団を臨床試験などで明らかにしていく努力が必要だと思います。

Q22.

オラパリブは「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術 不能又は再発乳癌」となっていますが、この場合の「がん化学療法歴のある」にはホルモン療法は含まれますか?

具体例:局所進行癌でER、PR陽性の患者で2年間、エキセメスタン+リュープリンが奏効した42才女性がPDになった時点で検査したところBRCA2変異陽性でした。オラパリブを使用し2年以上、腫瘍縮小効果が続いています。「がん化学療法」と言った場合、細胞毒性抗がん剤に限定するのか、ホルモン剤を含むのか、教えて下さい。

A:各薬剤の保険適用に関しては承認に至る際に参考となった臨床試験の適格基準が採用されることが多々ございます。この状況と保険適用の注意書きを参照いたしますと「化学療法歴」とはアントラサイクリン及びタキサン系抗がん剤の使用歴と考えるものと思われます。具体例のような症例が存在することは現状の保険適用基準に当てはまらないながらもオラパリブの奏効が期待される患者さんが存在することの証左かと存じます。今後は臨床試験などを通じてこのような患者様さんに有効な治療を届ける努力が必要であると思います。

Q23.

OlympiA試験の結果が論文報告されましたが、乳癌領域でも初発乳癌に対しても積極的にオラパリブを投与開始となる見込みでしょうか。再発予防の観点と副作用のバランスが難しく、展望があればお聞きしたい。

A:「OlympiA試験」に関しましては日本からも患者登録が行われた国際共同第三相試験であることや試験結果から考えて、本邦でも適応に向けての協議・調整が行われているものと推察されます。進捗や具体的な時期に関しては現在公表された情報は出ておりませんが、早期の臨床導入が期待されます。

Q24.

BRCA1陽性、プラチナ抵抗性再発卵巣癌の治療薬としてニラパリブが国内で承認され使用できるのはいつ頃になるのでしょうか。

A:プラチナ抵抗性再発卵巣癌におけるニラパリブの有効性に関する高いエビデンスはまだございません。今のところ承認に向けた動きはないと思います。

Q25.

PARP阻害薬リチャレンジの有効性についての取り組みは実施されるのでしょうか。また可能性はどうなのでしょうか。

A:PARP阻害剤の再チャレンジの報告は学会レベルではいくつかありますが、まだ強いエビデンスはありません。PARP阻害剤の再チャレンジの臨床試験(OReO試験)が進行中ですので、その結果が待たれます。また、PARP阻害剤の耐性克服の研究は、相同組み換え修復能の再活性化、細胞周期修飾、合成致死、免疫反応の活性化など世界で進められておりますので、有効なPARP阻害剤の再チャレンジのレジメンが将来出てくる可能性があります。

PARP阻害剤の再チャレンジの報告は学会レベルではいくつかありますが、まだ強いエビデンスはありません。PARP阻害剤の再チャレンジの臨床試験(OReO試験)が進行中ですので、その結果が待たれます。また、PARP阻害剤の耐性克服の研究は、相同組み換え修復能の再活性化、細胞周期修飾、合成致死、免疫反応の活性化など世界で進められておりますので、有効なPARP阻害剤の再チャレンジのレジメンが将来出てくる可能性があります。

Q26.

保険診療においてBRACAnalysis可能になりました。その適応についても明記されました。その適応に合致する乳癌患者に情報提供を行わなかった後、しばらくして対側乳癌や卵巣癌を発症した場合、トラブル(訴訟など)に進展する可能性はあるでしょうか?

A:御指摘の通り今後はトラブルになる可能性は否定できません。記載頂いた適応となる乳癌患者だけでなく、卵巣癌患者については診断された時点で全例がBRCA1/2遺伝学的検査の対象ですので、卵巣癌寛解後に乳癌が発生したり、血縁者に関連がんが発症した場合などもトラブルになる可能性があります。適応となる人にはなるべく早期にHBOCの可能性やBRCA1/2遺伝学的検査に関する十分に説明をすることが求められます。

Q27.

RRMの施設認定についてですが、JOHBOCの第1回学会のときにも話題になっていましたが、乳房MRI撮影加算の施設基準を届けていることが施設要件となっており、RRMの申請ができずにおります。当院の状況は、「1.5テスラの造影MRIで、同等の両側乳房の画像を撮影でき」、「常勤の放射線読影医がいて、比較的早く(実感としては2日内には)読影される」のですが、「100%翌日までには読影できない」ため、MRI施設基準を満たしません。JOHBOCで話題になった、令和2年7月 20 日付で厚生労働省保険局医療課からの疑義解釈資料の送付について(その 23)という文書では、MRI施設基準を満たす他院との連携契約を結ぶこととありますが、このまま施設連携をしないでRRM申請を行うことは難しいでしょうか。

A:現在、厚労省の乳房MRIの画像管理加算の要件の中では、撮影した80%以上の検査に対し、翌日までに報告書を作成することが挙げられています。種々の理由で、翌日に間に合わないこともあると思いますが、100%ではなく80%なので、もう一度、放射線科の先生方と話し合いをしていただけないでしょうか?なお、この算定要件は、乳房MRIに限らず、ほとんどすべての対象領域に適用されています。

Q28.

保険でBRCA1/2遺伝学的検査を行い、病的変異がみつかり、連携している遺伝カウンセリングができる病院へ紹介した場合、どこで遺伝カウンセリング料の徴取するか?病院間のカウンセリング料のやりとりについて解説いただけると幸いです。

A:現在の保険適用では、遺伝カウンセリングは検査に関連した「加算」となっているため、検査を実施した施設でのみ算定できます。HBOC保険診療にかかる遺伝カウンセリング加算の按分については、検査実施施設と遺伝カウンセリング実施施設間の契約で定めることになります。

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